ライバル出現

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「倉田さんにしっかり当社のイメージをレクチャーしたいと思いますので。 デザインして頂く前に一度、当社も見に来て頂いてから決めたいと思います」 「は?」 「ですから、今日これから少し倉田さんをお借りします」 「え…?いやそれは…」 「何か問題でも? 僕もこれから作るネットショップに社運を賭けていますのでね。 妥協は一切したくないのですよ。 よろしいですよね、倉田さん?」 一方的に話を進める周防に、困惑した顔で俺を見上げる倉田。 「まさかこれほど大きな会社の中枢的人物の藤森部長が、それくらいの事を認めて頂けないなんて事はありませんよね?」 …やっぱり…この男は只者じゃない。 …有無を言わせない強引さ… 微笑みながら言う言葉の奥深くに冷酷な目が見え隠れする。
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