ライバル出現

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「いや、俺も不思議なんだ。なんでA+LIVEほどの企業がウチに依頼して来たのか。 ましてや、倉田くんにデザインさせたいと指名したそうだね」 「はい…」 エレベーターが1階に着いて、社長共々エレベーターを降りる。 「何か裏があるかもしれないな…。一応俺も調べてみるよ」 ニコリと笑って言ってくれた社長になんだか心がホッとした。 社長はいつだってこうして俺の味方になってくれる。 だから俺にとっては親父のような存在なのだ。 「ありがとうございます。では社長お疲れ様でした」 「うん、藤森君もお疲れ様」 社長と別れて駅に向かって歩く。 倉田から、帰ったよというメールが来ない事が俺の心を急かして自然と早歩きになった。 電車を降りて駅から自宅へ向かって歩く間も不安でたまらなかった。 しかし… 自宅のドアを開けた瞬間、俺の不安が的中した。 …まだ… 美穂は帰っていなかったんだ…。
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