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「何か困った事あったら俺に言えよ?」
「うん、大丈夫。
隼人さんには心配かけないから」
微笑む美穂を見つめながら俺はやっぱり不安を拭えなかった。
前にもこんな不安を感じた事があったような気がするんだけど…いつだっけ。
膝の上に座って俺の飲みかけのビールを幸せそうに飲む美穂に聞いてみる。
「なぁ、そう言えば今日、周防に手を握られたって本当か?」
「あっ…そうなの!
あの人、いきなり私の手握って来たから驚いちゃった」
「…だけど、過呼吸起こさなかったんだろ?」
「そうなの。自分でもビックリ。
工藤さんとぶつかっただけで過呼吸になったのにね。
…周防さんの事、男って思ってなかったからかなぁ?」
「へっ?」
首を傾げて言う美穂に俺は間の抜けた返事をしてしまった。
だって俺は今日その事で悶々とひとり悩んでいたワケで…。
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