ライバル出現

20/39
525人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「何か困った事あったら俺に言えよ?」 「うん、大丈夫。 隼人さんには心配かけないから」 微笑む美穂を見つめながら俺はやっぱり不安を拭えなかった。 前にもこんな不安を感じた事があったような気がするんだけど…いつだっけ。 膝の上に座って俺の飲みかけのビールを幸せそうに飲む美穂に聞いてみる。 「なぁ、そう言えば今日、周防に手を握られたって本当か?」 「あっ…そうなの! あの人、いきなり私の手握って来たから驚いちゃった」 「…だけど、過呼吸起こさなかったんだろ?」 「そうなの。自分でもビックリ。 工藤さんとぶつかっただけで過呼吸になったのにね。 …周防さんの事、男って思ってなかったからかなぁ?」 「へっ?」 首を傾げて言う美穂に俺は間の抜けた返事をしてしまった。 だって俺は今日その事で悶々とひとり悩んでいたワケで…。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!