ライバル出現

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「倉田さん、先日の話、ちゃんと考えておいて下さいね。 出来れば年内にはいいお返事が聞きたいと思っていますので」 微笑みの中にやっぱり冷酷な目が見え隠れする周防。 「…そのお話は…お断りしたはずです…」 俯きながら美穂が言った時。 「貴裕さん?」 ホテルのフロントの方から歩いて来た、キツネ顔の赤いドレスの女が周防に声をかけた。 「まぁじっくり考えてみて下さい。 それでは藤森部長、お楽しみのところ失礼しました」 軽く会釈をした周防は、赤いドレスの女の腰に手を回して去って行く。 本当にムカつく男だ。
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