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「あのな、美穂。
ウチの社長は大切な従業員に嫌な思いをさせてまで、利益を優先に考えるような人じゃねーよ。
それは立派なセクハラってやつだろ?
それを無理してまで美穂が我慢する必要ねーの。
早速明日社長と検討して、A+LIVEとの取引は中止にするから」
「…い…いいの?」
「当たり前だろ。
美穂は俺の大切な女だけど、大切な仕事のパートナーでもあるんだ。
社長はな、太田の事で話し合った時に俺に言ってくれたんだよ。俺が守りたいと思うものが、社長の守りたいものでもあるってな。
…ウチの社長はそーいう人なんだよ」
そう言って美穂の頭をクシャクシャっと撫でてやると、ようやくホッとした顔で美穂も嬉しそうに笑った。
だけど…
あの周防の冷酷な目が俺の中には焼き付いていた。
あれだけの企業のトップに君臨する周防が、こんなセクハラじみた事をする程度で終わるとは思えない。
きっとこれだけじゃ終わらない…。
何故か俺の頭にはそんな予感が駆け巡っていた。
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