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周防があまりにも早く出て行ったのを心配して営業部の西尾が飛び込んで来る。
「藤森部長、どうしたんですか?」
「ああ…ちょっと条件が…微妙だな」
俺の言葉に西尾は顔を青ざめている。
「何とかその条件飲んでもらえませんか?
A+LIVEとの取引が決定すれば、ウチの会社にとって大きな利益に繋がります!」
「分かってるよ…だからちょっと検討させてくれ」
「頼みますよ、藤森部長!」
余りに必死な顔で頼んで来る西尾に俺は苦笑いをして営業部を出た。
A+LIVEの周防…
有無を言わせないあの冷たい瞳。
倉田を指名した時の、怪しい瞳の輝きが俺の目に焼き付いていた。
…何か、嫌な予感がする…
気のせいだといいけど…。
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