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泣いていたのだろうか?目元が赤い。
口元は緊張からかきゅっと力が入っているけれど、目は正直だ。僕のことが気になるらしくその子の視線も僕で止まったまま。
まん丸の目と左右で横にくくられた髪型が年相応というか…、なんだかとても可愛らしい。
「お兄ちゃんも…。」
「うん?」
「お兄ちゃんもいたいいたいなの?」
膝を折って目線を合わせた僕に向けられたのはそんな言葉。
いたいいたい…?
えっと…。
いくつかの変換された漢字が頭の中で踊る。浮き上がって、打ち消して。それを何度か繰り返すも、しっくりきた答えはひとつだけ。
「どこか痛いの?」
かがめていた身を背中を曲げることで更に低くし、そう聞いてみたけれどその子は頷かなかった。
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