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それからは広い庭の全貌が気になったのか、みぃちゃんはしばらく走り回っていた。こういう好奇心旺盛なところはさすが子供……。
「初めてここに来たときは、壱もあんな感じだったねぇ。」
「!?そ、そんなことはっ……!」
ある、けど……。
タマさんの言葉に緩んでいた口元がきゅっと引き締まる。確かに僕だって好奇心は旺盛な方で小さい頃は「冒険だー!」とか言ってたけど…。
きゃっきゃと飛び跳ねながら庭の池にかかる橋を渡っているのを見て、とんでもなくハラハラする。
僕の両親もこんな思いを四六時中していたのだろうか。
…親ってすごい。
橋の上から突然走り出したかと思えば庭の踏み石を片足だけで進んでみせる。しばらく進めば満足したらしく、また周りを見渡す。どうやら小さな子供はどんなものでも簡単に遊び道具に変えるらしい。
ハラハラと気が気じゃない僕をよそにタマさんは随分と余裕だ。
縁側に腰掛けてお茶を楽しみながら花を愛で、時々見守るようにみぃちゃんの方を見る。その度にクツリと喉を鳴らしてふわりと笑うものだから、隣にいる僕はなんだかドキドキしてしまう。
妖艶な、ともまた違う。夕方の影が見える時間ではない朝の太陽みたいな笑顔だ。
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