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「うへぇ…。」
砂だらけの根っこを食べるところを想像して、思わずそんな声が漏れた。
ありえないことだけれど、なんだか口の中がザラザラしている気がする。
「……間違ってもそこらのたんぽぽを食べようとなんてするんじゃないよ?除草剤みたいなものがかかってるかもしれないし…。」
「頼まれたってそこらのたんぽぽは食べないですよっ!」
本気で心配しているらしいタマさんは、そんなことを言って形の綺麗な眉を歪めた。
僕に買い食いの癖はあっても拾い食いの癖はない。
「ケンカ、だめっ!」
タマさんは僕のことをなんだと思っているのだろうかと思い、ひっそりと口を尖らせていれば、ペシっと全く痛くない衝撃が腕にはしる。
見れば何かに耐えるようにきゅっと口元に力を入れ、くしゃっと眉を歪めているみぃちゃんがいた。
「え?いや、別にケンカしてるわけじゃ…。」
「だめなのっ!」
どうやら僕の話しは聞いていないらしい。
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