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「…あつっ!」
涙目の状態でべーっ、と舌を出してそれを冷ます。そうすれば冷えた空気が舌の上をなでていった。
だけどやっぱりやけどしてしまったようで少しヒリヒリする。
そんな僕をタマさんは楽しそうに見て笑った。
「あははっ、鈍臭いねぇ。」
クツクツクツ。
喉の奥を鳴らすその笑い方は機嫌がいい証拠だ。だけどちょっと複雑な僕はこっそりと口を尖らせる。
「だって、熱かったし…。」
「あはははっ。」
「もう!笑いすぎですよ!」
熱いものは熱い。ついでに言えば僕は猫舌だ。なのにそんなに笑うなんて酷いじゃないか。
そっぽを向いて今度こそやけどしてしまわないよう口付けるも、やはり熱くて味なんてわからない。もちろんお茶の味しかしないだろうけど…。
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