第七章

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きっと下では、 大切な仲間たちが戦って死んでいる。 あたしが戻ってきたことを 心から喜んでくれていた仲間たちが。 その仲間たちが、 新選組の奴等に殺されている。 そう思うと、 会津藩御預りの新選組が、憎く思えてきた。 お兄ちゃんたちも、殺そうとしている奴等が そりゃ新選組の皆は大好きだけど、 それ以上にお兄ちゃんや稔麿たちが大好きだから。 ………裏切って、ごめんね、皆 ドガッッ 「お話は、終わりましたか?」 稔「あはッ、やっぱり君が来たか 沖田総司くん? 君とはずっと戦ってみたかったんだよねー」 そーじ、沢山返り血を浴びてる。 皆の血だ。 総「それはどうも それで、君は瑠乃ちゃん? それとも……志乃ちゃんですか?」 志「…そうだね」 鉢金を外し、二つに結っている髪を 頭のてっぺんで一つに結う。 志「あたしは、」 そして着ていた浅葱色の羽織… 新選組であるという証の羽織を脱ぎ捨てる。 志「高杉志乃、だよ」
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