第七章

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志「…………」 沖田なんかに、稔麿を殺させたりしない。 絶対に。 刀の柄に手をやり、 いつでも抜ける体制に入る。 が、 総「ッ?!ゴホッゲホッゲホッ…」 と、苦しそうに咳をして 沖田はしゃがみ込んだ。 総「く、そ……ゲホッ」 そう残して沖田は力なく 畳に崩れ落ちた。 ……? 肩は動いてるから一応生きてるだろうけど… 稔「…労咳、だ…ね…… し、さくと……似てる……咳……」 志「と、稔麿喋っちゃ…!」 か細い声が耳に入り、 すぐに沖田から視線を外す。 稔「ぼ、くは……も…助からな、から… し、の……お願…ぃ…… ぁの、時の……ゃく、そ…くを…」 約束って…… 稔麿が勝手に言っただけじゃん… 志「…わか、た…」 稔「ね……それ、と…… 稔麿、じゃなくて…… ぃつ、ものょぅに………呼、んでょ…」 ………ッ!! 志「えーたろー……?」 稔「それで、ぃぃ…… 志乃……ごめ、ね……?」 志「……ッ」 持っていた刀を逆手に持ち、 稔麿の左胸……心臓に突き刺す。 稔「ぁり……ぅ……」 志「馬鹿……えーたろー…… こちらこそ……ありがとー…」
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