第八章

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玄「どうしました?」 晋作の様子にいち早く気付き 玄瑞も習って部屋を覗き込む。 玄「おや、微笑ましい」 晋「今すぐ引き剥がせッ! 志乃は起こさないように九一だけ叩き起こせ!」 びしぃっ!!と抱き締めあって寝ている 九一と志乃を指差し悲鳴のような叫びをあげる。 桂「志乃も幸せそうなのに?」 玄「そういう姿を志乃ちゃんにも見せればいいのに」 晋「うっせぇいいから引き剥がせぇ!!」 玄「私には無理です」 桂「晋作が引き剥がせばいいだろう」 にこにこと笑顔で二人を見ながらそう言った。 晋「俺ができ……ッ」 グサッ 晋「る、わ…け…」 晋作の目の前を、物凄い速さで "何か"が通り過ぎた。 廊下の壁には、ぐっさりと 深く短刀が刺さっていた。 ギギギ...と首を動かし 飛んできた方を見る。 九「……煩い…志乃が、起きる」 晋「す、すまん……」 不機嫌な顔で上半身だけ起こして 右手を何かを投げたあとの形のまま 晋作を睨んでいる九一。 晋作は思わず謝るが、すぐに 晋「じゃねぇ!志乃から離れろッ!」 と叫んだ。
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