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九「煩い」
玄「さ、行きますよ晋作君」
ずるずると晋作の首根っこを掴み
どこかへと去って行く玄瑞。
桂「お邪魔したね
夕餉の時間になったら呼びに来るからー」
そう言って桂も障子を閉めて二人の後を追った。
九一はそれを見ると、
再び寝転がり志乃を抱き締めて目を閉じた。
桂「夕餉の時間になったら呼びに来るとは
言ったが、行きづらい……」
玄「そうですねぇ……
お膳だけ置いておきますか?」
桂「うーん…それが一番か……」
そう悩んでいるとき、
広間の障子が開いた。
そこにいたのは眠そうな九一と、
若干紅い頬を両手で押さえている志乃がいる。
玄「おや、おはようございます」
九「……おはよう」
志「ぉ、おはよー…」
そう言葉を交わすと、
お互い自分の席へ座る。
志乃にとっては幸いなのか、
二人との間に晋作がいる為
お互い晋作の隣。
……晋作は九一を思い切り睨んでいるが、
九一は対して気にした風もなく欠伸を繰り返した。
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