最終章

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元治元年7月19日 京は炎に包まれた。 あたしは御所内で燃え盛る門を見ていた。 …右手には血のついた刀、周りには沢山の死体 全て幕府の人間。 最初は皆に止められ京から出るよう言われた。 勿論、断ったから今ここにいる。 《死》についてはもうどうでもいい …稔麿も、九一も玄瑞も死んでしまったから 皆死んでいってしまった あたしは皆が死ぬところを見てしまった もう、何も感じない 当初の目的の《幕府への復讐》を ただそれだけを、成し遂げて見せる。 ジャリ... 砂利を踏む音に反応し後ろへ振り返る。 そこには、 志「おにー、ちゃん……」 後ろに数人仲間を連れている おにーちゃんがいた。 晋「もう、いい……もういいから」  志「もういい……? まだ敵は沢山いる 仲間はもう少ない あたしが殺らないと、いけない」 なのに、やめるわけにはいかない あたしを最期まで信じて逝った仲間の為にも。
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