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志「………ッ!?」
晋「し…」
志「おにーちゃん!!」
おにーちゃんの言葉を遮り、
あたしは走り出した。
おにーちゃんを庇うように
前に出た瞬間
グサッ
腹部に鋭い痛みが走り、
口から血を吐く。
晋「志乃ッッ!!!」
志「ッ!」
倒れかけていた体を、
おにーちゃんが支えてこれ以上体に痛みはなかった。
志「おに……ちゃ……」
晋「喋るな、志乃…ッ」
志「…はじ、めて……名前……呼んでくれた……」
今まで《そいつ》《こいつ》
そんな感じでしか呼んでくれていなかった。
だけど、今は…ちゃんとあたしの
名前を呼んでくれている。
晋「ごめん、ごめんな志乃……
お前には、危険な目には合わせたくなかった…
だから、帰って欲しかった…
俺は嫌われてもいいから…
お前さえ無事でいてくれれば……
そう思って…ずっと…」
志「え、たろ…も……言ってた、なー…」
そういう風に教えてくれた。
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