第13話

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僕はヴェールをくぐって 彼女の聖域に分け入った。 安らかな寝息。 本当に彼女が 悪魔の所業を働くのか。 眺めていると分からなくなってくる。 考えちゃダメだ――。 僕はポケットから 細い折りたたみナイフを取り出した。 目を閉じて固く冷たい刃先を引き出す。 銀色の刃先は薄闇で鋭く光って 何とも痛々しかった。
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