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「痛てぇっ……」
手元の狂ったナイフは
白いネグリジェを貫通し
マリアの肩先に浅く突き刺さっていた。
「大丈夫?血が出てる……」
類は泣き出しそうな顔して取り乱し
マリアを抱き起こす。
彼女は――。
「マリア……?」
「……夕べは上手に僕を貫いたのに」
長い髪のカツラを外して放り投げる。
「ナイフ突き刺すのはヘタクソだな、センセ?」
細いナイフを肩から引っこ抜くと
妖艶に笑って
「ノア……!」
血の滴る刃先を舐めた。
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