第13話

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「痛てぇっ……」 手元の狂ったナイフは 白いネグリジェを貫通し マリアの肩先に浅く突き刺さっていた。 「大丈夫?血が出てる……」 類は泣き出しそうな顔して取り乱し マリアを抱き起こす。 彼女は――。 「マリア……?」 「……夕べは上手に僕を貫いたのに」 長い髪のカツラを外して放り投げる。 「ナイフ突き刺すのはヘタクソだな、センセ?」 細いナイフを肩から引っこ抜くと 妖艶に笑って 「ノア……!」 血の滴る刃先を舐めた。
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