第13話

28/30
前へ
/30ページ
次へ
「僕に妹なんていない――いたとしても、とっくの昔に死んでるよ」 そこにはまだ 僕のTシャツを着たままのノアの姿があった。 「嘘だ……。じゃあこの前会ったのは……」 僕はなんとか冷静を保とうと 必死で頭を振った。 ノアは子供みたいに目を丸くした。 「先生、本気で言ってるの?」 薄紅色の肉感的な唇は嬉しそうに綻んで。 「あれは、私」 女の声色――。 「先生はバカだな!」 そして悪魔のけたたましさで笑った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加