南瓜と臭橙

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 僕の村には、果実は実ら無い。  実る物が在るとすれば、混沌と言う名の甘美なる腐臭を放つ、禁断の野菜のみだ。  だから僕と臭橙は、村の地中に大きな種を埋めた、恐らく、誰にも悟られずに、真っ当な野菜を実らせてくれるだろう。  マンドラゴラの根の如く、腕と脚と、頭を持ち、血の通わない白い菜体を有した其れは、悲鳴を上げる事は無い。  作業は、僕も臭橙も、蛇腹も居た。  そして此は三人だけの秘密である。  
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