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―――式を終えるアナウンスがあり、私は現実に引き戻される。
もう、私の隣に稜ちゃんはいない。
寂しい時貸してくれた肩も、私を見つめる優しいまなざしも、二度と私のものになることはないのだ。
「おめでとうございます。本日はお招きくださって、本当にありがとうございました。」
礼儀正しく挨拶をして、長く続く列から離れようとしたその時、麻里絵さんが私に声をかけた。
「美亜ちゃん、これ…。」
そう言って差し出されたそれに言葉を失う。
今日、麻里絵さんのために作られた純白のブーケ。もう一生私は手にすることはないだろうそれを、麻里絵さんは私に差し出した。
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