第3話

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「そ、それじゃ、書きましたっ……!」 その連帯の紙切れには、悪に入ったら、全財産没収という項目や、連帯の最中、支給される食べ物は、朝食の目玉焼きだけであること、ゲームをする権利が剥奪されること等が書かれていた。 そして、 ぐぅっ……っぽんっ。 印鑑を押してしまう、キン肉マンだった……。 「よしよし、よくやった」 金銅は、巧くいった事を喜ぶ素振りもなく、契約書を顔立ちの整った女に渡し、キン肉マンを見る。 「え~、じゃあ、」 「………っ!」 ステージを見ているキン肉マンが目に入る。 「………。ああ、あのステージ、昇ってみてぇか?」 「……っ! はっ、はい……っ!」 「………。そうか。もう人生なんて終わったのになぁ……。………」 そんな話を聴いていないキン肉マンは、言った。 「俺も……、」 甘えた顔をするキン肉マンに、二人は笑わない。 「人生、終わった後にデビューなんてないんだが……。………昇ってみるか……?」 「はっ……はいっ!!」 酷い返事だった。良い返事だったが。そのことも酷いことだった……。 「じゃあ、…人生終わっちゃったって感じで昇ってみな」 「そ、そんな感じで昇ったら、カッコいいですか?」 「カッコいいですよっ」 顔立ちの整った女はそう言ってニッコリ笑ったのだった。
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