407人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言えば、わたし、緋英君のこと何も知らないかもしれない。
付き合っていると言っても、直接二人切りで会ったのは五回ほどしかないんだもの。
一緒に食事をしたことはあるけど、パスタだったりお好み焼きだったり軽い食事ばかりだ。
お好み焼きに至っては、如月君の家でお好み焼きパーティーをしたと聞いて、羨ましがったわたしに気を使った緋英君が、学校を休んでまで名古屋に来て連れて行ってくれたんだっけ。
お好み焼きを食べたってことは、卵アレルギーじゃないね。
好きなものはモカとマンデリンのブレンドコーヒー。
大事なものは暴走族『疾風』のメンバー。反対にチームには無くてはならない人物らしい。
ってヒヨコちゃんと小春ちゃんが言っていた。
バイクツーリングが大好き。見かけに寄らずスピード狂。
そう言えばミステリー小説をよく、読んでいるな。そのうつむき加減の横顔が絶品。
顔が綺麗。
字が綺麗。
指も綺麗。
無駄にキラキラした瞳が綺麗。琥珀のような瞳は生れながらにして宝石を身につけている感じ。
声がいい。低くて優しい声。
最初のコメントを投稿しよう!