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そして、緋英君との電話のやり取りをした次の日、同期の子たちに聞いてみた。
『そりゃあ、男なら考えること一つでしょ?彼女の家で誕生日過ごしてさ。はい、サヨナラってわけのはずないじゃない。それって普通は朝までコースでしょ?』
去年まで美容師見習でパティシエへと華麗なる変身を遂げたアリサが吐き捨てるようにそう言う。
『彼女と穏やかに添い寝する彼がいたら、そいつはゲイかホモだわ。彼、年下で高校生でしょ? 無理して大人びたこと言っても本音はもう……鼻の穴を膨らませて、鼻息を荒げてる筈よ』
去年まで家事手伝い(キャバ嬢)だった美沙が笑う。
声には出さなかったけど、それは違う。
緋英君は鼻息など荒げません。
そんなに長期間女の子に不自由していたような男の子じゃないです。
高校生でも、わたしなんかより大人びていて、落ち着いています。
腹が立ったので、反撃の意味も込めて、スマホで撮ってある緋英君の写真を見せた。
三人共大きく目を見開いて
「なに? このイケメン!」
声を揃えて叫んだのは言うまでもない。
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