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緋英君は彼女の私が言うのもなんだけど、10人女の子が居れば、9人は振り返るほどの美青年なのだ。
最初に緋英君を見たのは確か一年前。
私が三年生で、彼は一年生だった。
生徒会長だった私は、職権乱用して、半強制的に緋英君を生徒会へと引き入れた。
その頃の彼は幼さが残っていたが、それはそれは天使のような美少年だった。
一年半という月日は流れ、美少年だった子が、期待を裏切らず見事な美青年へと成長してくれた。
あの頃の私は緋英君に、告白などできなくて毎日、物思いにふけってたっけ。
そんなある日、炎天下の体育祭の日、貧血で倒れた私を緋英君が保健室に運んでくれて……
そこで言っちゃったんだ。
高校生最後の思い出に抱いてくれって……
今思えばなんてこと言っちゃったんだって思うけど、当時の私はそれほど緋英君への思いに追い詰められていたんだ。
あの時の緋英君の言葉は今でも覚えてるな。
『俺、スゲー悪い男かもよ。沙耶香先輩の裸を写真に撮ってばら撒くような男かも知れないよ。それでもいいの?』
見た目の麗しさからは考えられない言葉に
『それは困る』って言っちゃったんだ。
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