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『じゃあ、辞めといたほうが良いよ。それに俺、関東じゃあ有名な族の副総長だし、真面目な沙耶香先輩とは釣り合わないから』
『暴走族ってこと?』
『そう。でも、俺、沙耶香先輩は必死で生徒会長やっている姿は嫌いじゃないよ。俺、頑張っている女の子が好きだからさ』
『頑張っている女の子?』
『うん。この世で一番美しいものだと思うよ』
高校一年生らしからぬ言葉に絶句したままだった。
気付けば一人きりで、保健室のベッドの上だった。
そんな緋英君の言葉に感化され、国公立の大学を目指していた私は、大好きだったお菓子作りを極める為に名古屋にあるパティシエの専門学校へと進路を変えたんだ。
親には猛反対されたけど、結局はこの大きなマンションを私に買い与えてくれた。
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