第1話

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「どうしよう……」 頬杖をついて、右手でペン回しをする。このままペンだけを回し続けると、日本選手権に出られそうなくらい、ペン回しが上達しそう。 そんなどうでもいいことばかり考えていては先に進まない。 一回立ち上がって、キッチンに向かいコーヒーを淹れる。 インスタントしか飲んだことがなかったわたしだったけど、緋英君お勧めの、このモカとマンデリンのブレンド豆に嵌ってしまった。 サイフォンからコーヒーの香りが漂い始め、少しだけ気分が落ち着いて来た。 出来あがったコーヒーをマグカップにたっぷり注いで、ミルクだけを入れ口に含んだ途端…… 肝心なことを思い出した。 そうだ……夕飯。 ケーキばかりに気を取られて、夕飯のことをすっかり忘れていた。
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