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翌日、社長に全てを話し、俺と倉田は今月いっぱいで会社を辞める事を報告した。
「すまない…
俺の力が足りないばかりに、色々と悩ませてしまったね…」
ひたすら頭を下げる社長に、俺は首を横に振る。
「…20歳のまだガキだった俺を拾ってくれて…
社長は俺にこの仕事の楽しさをたくさん教えてくれました。
いつでも俺って人間をきちんと見てくれて…。
社長は…俺のもう一人の親父です。
俺はただ…自分の親父を守りたかっただけなんです」
「藤森くん…」
「FUJIホールディングスに戻っても…俺は社長の事は、ずっとこれからも親父だと思っています。
今まで…お世話になりました…。
だけど…これからも俺を見守って頂けますか?」
俺の言葉に社長は嬉しそうに涙を滲ませて頷いていた。
本当に…お世話になりました…。
そう心で思いながら、俺は社長室を後にした…。
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