新たな道へ

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「あの…何か飲み物でも買って来ますね」 じっと俺の手を握ってくれていた倉田が、ようやく思いが通い合った俺と親父を気遣って病室を出て行った。 「…いい子じゃないか」 「うん…見た目はおデブだけど…中身は最高にいい女だよ」 「隼人もようやく人は見た目じゃないって事に気付いたって事だな」 「…ハハハ…」 以前の俺はいつも見た目重視で、中身の薄い女しか連れてなかったからなー…。 「そう言えば、お袋は…?」 俺の質問に親父は苦笑いしてる。 「5年前にな……逃げられた」 「はぁぁぁ?」 「浮気がバレてな」 ペロっと舌を出して笑う親父に思わず俺は大笑いした。 そーだった… 兄貴のチャラ男は…親父の遺伝だった。
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