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「お父さんは…今でもFUJIホールディングスを恨んでる…。
そんな会社に就職するのも…あんなひどい会社の経営者の息子と結婚するのも絶対に許さないって…。
どうしても美穂がその男を選ぶなら親子の縁を切るって言われてしまった…」
両手で顔を覆って泣いてる美穂を見つめながら俺は、何も言葉が見つからなかった。
俺の親父が…通って来た道は…。
大勢の人を絶望の淵に叩き落として来たって事は自分でも痛感した。
それは…俺が一番愛しいと思う女の家族までも苦しめて…。
家族を取るか、俺との人生を選ぶか…。
今、目の前で苦しんでいる美穂の気持ちを痛いくらい感じて俺の目にも自然と涙が滲む。
神は…
その深き罪を決して許してはくれないのだろうか。
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