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美穂の切実な声にもただ黙って背中を向けたまま草むしりを続けるその背中に俺は美穂と繋いだ手をほどき、地面に正座した。
「隼人さん!」
慌てた美穂をそっと手で制して俺は頭を下げた。
「美穂さんから…全てお話は伺いました。
俺の親父が、大変な苦しみを与えてしまった事を深くお詫び致します。
今更こんな事をしても許される訳ではないのも理解しています。
しかし…俺にとって美穂さんは、人生をかけて守りたい大切な人です。
お願いします…どうか…美穂さんとの結婚を認めて頂けませんでしょうか…」
俺の言葉にようやく草むしりを続けていた手が止まる。
ゆっくりと立ち上がり振り返ったその表情は、怪訝なまま俺を冷たく見下ろした。
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