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倉田はずっと黙ったまま俺の話を最後まで聞いていた。
やがてふーっとひとつ息を吐き出したあと。
「私は…約束したはずですよ?
どんな悲しい現実でもお互いを思いやって最期まで一緒にいるって」
微笑んで言う倉田が愛しくて思わず抱きしめる。
「美穂…ありがとう」
うるうるの瞳に見つめられて、堪えきれずに俺の顔が倉田に近づいて行ったのに気づいた兄貴。
「こーらー!俺の前でイチャつくなー!」
大声で叫んだ兄貴の声は、太陽に吸い込まれて行った。
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