イッグの木

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 しばらく鹿は考えて言いました。 「ああ、そういう事ね。それなら、あの木の幹にそって歩いてごらんなさい」 「何があるの?」男の子は聞きました。 「歩いていれば、やがて訪れるわ。さあ、行きなさい」 鹿はそう言うと、仲間の鹿のほうに戻ってしまいました。  二人は「そういう事ってどういうこと?」とか「何が訪れるの?」など、もっと鹿と話したかったのですが、鹿が行ってしまったので、しかたなく歩き出しました。  しばらく歩いていると。 ちょろちょろちょろ、ちょろちょろちょろと、先の方で音がしました。  ひときわ大きな根を回り込むと、そこには池というには少し小さな、しかし渡るには大きな泉がありました。image=476121864.jpg
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