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「どうだい? 何か気付かないかい?」
気付く? 一体何に?
そう考えながら僕は体を起こそうとして気付いた。
「……動く……」
そう、動くのだ。
体が弱りすぎて動かすことの出来なかった足が。
足ほどではないにせよ持ち上げるだけでも一苦労だった腕が。
何よりもいうことをほとんど聞かなくなってしまった僕の体が。
動くのだ。
それも自由に。
「さぁ、ここからが本題の……取り引きの時間だ」
そして彼女はさらに僕に近付いてくる。
その顔に、邪悪な笑みを貼り付けて。
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