act1 ヤマイな僕と女魔王

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「どうだい? 何か気付かないかい?」 気付く? 一体何に? そう考えながら僕は体を起こそうとして気付いた。 「……動く……」 そう、動くのだ。 体が弱りすぎて動かすことの出来なかった足が。 足ほどではないにせよ持ち上げるだけでも一苦労だった腕が。 何よりもいうことをほとんど聞かなくなってしまった僕の体が。 動くのだ。 それも自由に。 「さぁ、ここからが本題の……取り引きの時間だ」 そして彼女はさらに僕に近付いてくる。 その顔に、邪悪な笑みを貼り付けて。
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