act3 破壊神現る

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轟火竜ヴァルゲール。 政府から第一種接触禁忌獣に指定されていて一流の悪魔でも決して関わろうとしない飛竜。 その咆哮は万里のかなたにまで轟き、大きな顎は鋼を砕き、放たれる炎の息吹きは湖をも干上がらせると言われる逸話もある通りに人々に恐れられている。 その飛竜が今自分たちを見て舌なめずりをしているのだ。 怖くないはずがない。 体長はおおよそ300メートルを超え、全身を覆う焦げ茶色く、堅い鱗には剣戟どころか魔法ですらも傷をつけることが出来ない。 まさにお手上げ。 もし相手が言葉の通じる亜人種であったなら、ここで白旗でも振れば自分たちが無事生還出来る確率は飛躍的に上がるだろう。 だが相手は言葉を知らぬ竜。 交渉の余地は無いだろう。 このままヴァルゲールが何もせず、自分たちに興味を失い飛去って欲しいとどれほどの時間願っただろう。 始め、俺たちはヴァルゲールの咆哮によって驚いて巣から出てきたカメレオトゥルスと戦っていたのだがそこにヴァルゲールが現れた。 そして2匹が戦い始めたのだが、そこで欲張らずに撤退しておけばよかった。 もしかしたらお互いに傷つけ合い、弱りきった2匹をあっさり討伐出来るかもしれない。
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