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これで奴と戦えるのは俺1人……。
『変身』すればあるいは逃げ切れるかもしれない。
己の首に着けている首輪を掴もうとしたが寸前のところで手を止める。
自分はこの任務を成功に導くために当てられたリーダー。
敵前逃亡など出来るはずもない……!
そうこうしているうちにヴァルゲールは再び空へと昇っていきこちらに攻撃を仕掛けんまいとしている。
どうする! とうすればいい!?
残された僅かな時間で必死に考える。
相手も馬鹿ではない。
こちらの動きを予想して何かしらの新しい攻撃手段をとってくるだろう。
多分次は避けられないっ……!
その時、声が聞こえた。
「大丈夫かァオルトぉ!!! 今行くッ!!!」
驚き、すぐに声が聞こえた方角を確認する。
遙か遠くに懸命に走る者の姿を確認することが出来る。
男性にしてはかなり長めの黒髪に赤い瞳。
そして頭に被った白い三角帽。
間違いない! アゲハだ!
この状況を予想して助けに来てくれたのか!?
その行動力と勇気は賞賛に値するだろう。
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