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だがアゲハの『学年番数』は下の下がいいところ。
お世辞にも戦力になるとは言い難い。
ヴァルゲールの方を見ると何やら様子がおかしい。
腹を突き出し上半身を反って大きく息を吸い込んでいる。
まるで何かを溜めているような……。
ッ!!! あの動きはっ……!
「……まさか! ブレスを放つつもりか!!?」
そうなったら間違いなく俺たちは……!
「しゃーなしだ! こうなったら『開放』して……!」
何時の間に近くまで来ていたのか。
アゲハがそう呟きながら何やら魔法陣を書き始める。
「無駄だ! 俺たちの実力じゃ奴を倒すどころか傷付けることも────」
そう言いながらヴァルゲールに目を向けると何やら一瞬キラッと白く光るものが見えた気がした。
「……?」
気になりヴァルゲールの後方に広がる空に目を凝らしてみる。
すると光る何かは確かに存在しており、高速で移動しているようだ。
流れ星だろうか?
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