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「この危機を乗り越え、無事生還出来ますように……!」
ひょっとして俺は物凄く馬鹿みたいなことをしているのでは? という考えが頭をよぎるが今は緊急事態。
そんなものは気にしない。
そして流れ星を見つめ、3回目を唱えようとして────
「……ん?」
異変に気付いた。
少しずつ大きくなっているような……?
さらにジッと見つめる。
「……」
やはり流れ星は少しずつ大きくなっている……。
ひょっとして……!
そこまで考えたところで俺の思考は中断されてしまった。
「グルゥオァァァァァァ!!!」
「────くッ!?」
ヴァルゲールが轟火竜の名に恥じぬ爆音で吠えたのだ!
耳を塞ぐのが遅れたせいで耳なりがする!
ついに────ついに準備が出来たのだ!!
ヴァルゲールはそのワニに似た顔を歪ませ、ゆっくりと口を開く。
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