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「実はさ、ちょいとアタシの息子の手助けをして欲しいんだよ」
豊かに膨らんだ胸を張ってイロハさんはそう言った。
とりあえず健康な体になりたいという僕の願いは叶ったので今度はイロハさんの願いを聞くことになったんだけど…。
「手助け?」
「そ、実はアタシの息子……魔王になりたいらしくて、そのための学校にも通わせているんだけどどうにも手詰まりらしくてねぇ」
「こんな何の才能も……長所も無い僕に何か出来るとはとても思えないけど……」
するとイロハさんは豪快に笑いながら言った。
「長所はどうか知らないけど才能はあるさ。だからボーヤに取り引きを持ち掛けたんだ」
僕の才能?
自分では検討もつかない。
「それは魔力量。ボーヤは一個人が持つにしては余りにも膨大な量の聖属性の魔力を保有している。ま、それが今まで健康を害していた原因だったりするんだけど」
さらにイロハさんは続ける。
「それにボーヤにはまだ叶えられてない願いがあるだろう?」
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