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「このベッド……」
汚れ1つない白いシーツに同じく白い掛け布団。
ここまではいい。
僕が何時も使っているベッドと特徴が一致している。
だがサイズが少し大きいような気がする。
そして何より決定的に今までと違うと断言出来る事が2つある。
1つは僕の体。
僕の体は弱っており、こうして体を起こすことも辛くて寝たきりだった。
だが、今はこうして労せず体を起こしていられる。
そして最後。
僕がいるベッドの傍らに立てかけられている白い剣。
装飾などは特になく非常にシンプルなデザインだ。
これは夢の中でイロハさんが僕に投げつけてきた剣で間違いないだろう。
つまり……僕の記憶は……夢なんかじゃ……。
「まっまさかそんなことが現実に起こる訳がっ────!」
さらに周囲を見ようと視線を巡らせ、そして気付いた。
「………………………………」
それは忍者だった。
小学生だろうか?
それほど小さく見える体躯にほとんど黒に近い紫色の忍者装束に身を包み、額(と思われる場所)に巻いている鉄の額当てにはNo.8と彫られている。
僅かに覗くブルーの瞳はまるでサファイアのように輝いている。
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