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そしてさらに風船を膨らませる。
色が段々薄くなり本当に今にも割れそうだ。
「さてこの風船。さらに空気を入れるとどうなる?」
「そりゃパーンって……」
「それが……お前の未来の姿だ」
「え゛っ!!?」
「……冗談だ。まぁあながち冗談とも言い切れんが」
風船の口を少し開き、ちょっとずつ空気を抜きながらアゲハは言った。
「本来魔力ってのは100まで……つまり全快すると回復は止まるんだ。けどお前は何故か魔力が全快しても回復が続く。ま、元気が1週回って不健康になったと解釈してくれりゃあいい」
アゲハは空気を抜いて先程の半分ほど大きさの風船を僕に見せた。
「これが今のお前の状態。ババアに魔力を抜かれてある程度元気になった状態だな」
そう言って風船に空気を吹き込み、先程ではないにしろ少し膨らませる。
「これが1年後のお前の姿。見ての通り少しふくらんでいるよな。何もしなけりゃこのままさらに膨らんでいき元通りだ。なら風船を破裂させないようにするにはどうすればいいと思う」
アゲハに問われ考える。
常に風船は膨らみ続けている。
しかし破裂させないようにする……ようするに今の状態を維持しなくちゃならない。
だったら……。
「……それと同じ速さで空気を抜く?」
「ご名答。ここまで言やぁ俺が何を言いたいか分かるだろ」
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