act5 僕と契約と無能姫

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アゲハは僕の言うことを最後まで聞かずに顔を離すとリーダー格の生徒の後ろ……空を指差して言った。 「あっ、天使だ」 アゲハがそう言った瞬間──── 「なっ! 天使だとぉ!!?」「うわぁぁぁぁ!!」「どこ!? どこにいるの!!?」「いやぁぁぁぁ!!!」「逃げろ……逃げろぉぉぉぉ!!」「チクショオ! 天使共がぁ!!」「もう終わりよぉぉぉぉ!!!」「おい! 踏むな踏むな!」「うるさいわね!」 アゲハの一言で絡んできた4人どころかこの場にいた生徒全員パニックになった! 驚いてアゲハを見ると口パクで早く行けと言っているようだ。 1人じゃ不安で仕方ないけど一本道だし迷うことはないだろう。 僕はそう結論付けると走り回る生徒をすり抜けて大講堂の方に走り始めた。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 「まさか本当に迷うとは……」 今僕は花畑のような場所いる。 ピンクや黄色の花が一面に咲き広がっていてとても綺麗だ。 正直僕自身も驚いている。 真っ直ぐ大講堂に向かって走ったはずなのにこんな場所にいるなんて……。 「僕って方向音痴だったのか……」 普段めったに外に出ることがないから知らなかった。 病気が治らなければ知ることのなかった新しい自分を知ることが出来てちょっと感動。
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