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「スー……ハァー……」
深呼吸しながらゆっくり近付く。
ちょっとずつだが後ろ姿が見えてきた。
どうやら女子生徒のようだ。
……男だったら声かけやすかったのに……。
「うん?」
どうやら向こうは僕に気付いたようだ。
そしてゆっくりと振り向く。
よしっ! 今だっ!
「すいません! 大講堂に行きたいに行きたいんですけど……道を知りましぇんか!?」
「…………」
…………噛んじゃった。
だってしょうがないじゃん。
その娘は、僕が今まで見たことのないほどに可愛い娘だったんだから。
青いリボンをつけているので2年生だろう。
僕を見つめるまつげが長く、大きなエメラルドグリーンの瞳はまるで太陽のように輝いている。
ふくらはぎに届こうかというほどに長い桃色の髪は僕たちの周りに咲く花のように美しく鮮やかだ。
癖っ毛らしく毛先が所々跳ねており、そこがまた美しさの中に可愛らしさを感じさせる。
けれど、どこか人を寄せ付けない……まるで他人に興味が無いような……そんな印象を受けた。
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