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「それじゃあボーヤの願いを教えてくれるかい……ってもそんな必要ないけどね」
そう言って彼女は僕の頭にぽすっと手をおいた。
「今からボーヤの頭の中を覗く。何故かって? その方が早いからさ」
そして僕に徐々に顔を近づけつつ言う。
「さぁ自分の願いを心に描くんだ。思いっきりね」
暖かい。
久しぶりに感じた人の温もりだった。
そして僕はゆっくりと瞳を閉じて想い、振り返る。
ほんの数年前まで通えていた学校での思い出。
運動会、合唱コンクール、学園祭。
「…………うわぁ……」
「……」
出会って1時間とたたない人(?)にうわぁって言われちゃったよ。
ま、それも仕方がない。
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