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「ここで待つのも何でしょう、入って春秋の部屋にでもどうぞ」
おかんは笑顔で家に入るよう促す。
「いいんですか?」
こちらを気にしつつ北中歩は訊ねる。
「ダメだ」
即答する。が…
「ささ、どうぞどうぞ」
おかんは、既に靴を脱いでいた北中歩を家に上げていた。
「待てぇーーい!」
「お前が待て」
親父がオレの両脇をロックした。
「テメェ!放せクソ親父」
「必死だな春秋。もしかしてヤバいものでもあるのか?」
「ねえよ!」
とは言うが、マズいものがある。
オレの部屋のパソコンにエロゲのソフトが入っているのだ。
ディスプレイの電源は切ってあるが、それはスリープ状態であって、エンターキーを押したら直ぐに画面に現れてしまう。
内容はSMもの。
しかも今は鞭で叩かれ、アヘアヘしている場面に差し掛かっている。
「ゆっくりして行ってね」
おかんが言うと、ドアが閉まる音がした。
「春秋、やましいものが無いなら別にそこまで焦らなくてもいいんじゃないか?」
にやりと笑う親父。
ーーこのクソ野郎。
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