783人が本棚に入れています
本棚に追加
「………」
夏美はピクリと右眉を動かした。
夏美は気にくわないと思った時は、必ずそういうモーションを起こす。
だから……
ーーマズいな……こりゃキレるぞ。
「あの……夏美さーー」
「春秋、それ本当……?」
俯く夏美。ちゃんとは見えないが、夏美は今、物凄く怖い顔をしているだろう。
ここで本当の事を話せば、夏美も分かってくれるはず。
しかしーー
横目で歩を見る。
ーーここは人目がつく。話せば他の誰かに聞かれる可能性がある。そうなると歩の立場が色んな意味で危うくなるだろう。
仕方ない……
「本当だ」
最初のコメントを投稿しよう!