心の温度

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私、風上春秋は現在(キス~愛しのスク水~)というエロゲをプレイしていた。 『私、春秋の事が好き!』 「デレ来たーー!」 ソフトの中身は、水泳部員の娘達を落としてゆくというヤツで、今、ツンとデレが9:1の麗香ちゃんを落としている真っ最中だ。 「ついに落としたぞ!」 ガッツポーズをする。 1、「オレも好きだ」 2、「ごめん、オレには好きな人がいるんだ」 3、無言でキス。 ここは3だな。 春秋と麗香の顔が次第に近付いてゆく。 残り50cm……40cm…… 鼓動が早まるのを抑え、更に麗香と接近。 そこで…… 「でもごめんなさい!」 「はああああ!!?」 『その気持ちは過去系なの。私が本当に好きなのは充君なの』 「な・ん・だ・と!?」 充とは、主人公の親友の名前だ。 充はいつも気さくで、優しくて、絶対に裏切らない性格だ。 なのに… 『本当にごめんなさい!』 麗香は走り去って行った。 「うがああああ!!」 叫び、パソコンからソフトを取り出して、ディスクを膝蹴りでぶち割る。 「くそっ!どこでルート分岐を間違えたんだ!」 にしても…… 「キスか……」 オレ、歩とキスしたんだっけ… 右手の人差し指と中指で自分の唇を触る。 ーー最悪なシチュエーションでのキスだったけど、あれオレの初キスだったんだよなあ…
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