葛藤するのも、仕方ない!

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「じゃあ、さっさと決めてくれ。」 新学期が始まり、一番初めのホームルームで、委員を決める。 担任がすごい面倒くさそうに黒板に、委員を書いていき、後は勝手に決めてくれ。とでも言うようにドカッと教卓に腰かけた。 俺は、委員会に入るつもりは皆無なので、黒板すらまともに見ていない。 ていうか、それよりも、だ。 俺が恋した相手が、同じクラスなんだが!!? さっきから、気になって仕方ない! 出席番号順の座席で、ヤツの名前が竹永茉子(タケナガ マコ)で俺の名前が園山柊一(ソノヤマ シュウイチ)だから前後っていう 緊張しかしねーよ! マジふざけんな 休み時間になれば、コイツへの視線半端ないし、授業中は後ろから僅かに聞こえる呼吸音にいちいち顔赤くなるし。 それ以前に、好きな人に見られてるのかもしれない緊張感で既に死にそうだわっ! それにコイツ、休み時間になっても席を立たず、読書とかしてるから俺の緊張は安らぐことがない。 俺は、友達一人しかいねーし、そいつは違うクラスのうえに、よくサボってどこにいるかわかんねーから会いに行けないし。 親衛隊は優しく接してくれるけど妙に距離があって居心地が悪い。 俺は、目付きが悪くて、他のヤツにはビビられるから話しかけると迷惑になる。 よって、俺は休み時間中、変な緊張感のなかで狸寝入りを決め込むことしかできなかった。
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