第1話

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俺は押し寄せる不安で押し潰されそうになりながら、優気子を助けに行く。  元科学室をおそるおそる覗き込んだりと、まだ煙が立ち込めていて、咳き込んだ。床も何もなくて、とても入れたもんじゃない。 「優気子ー! いるか!? いるなら、返事をしてくれ!」  サイレンの音が聞こえた。だんだん近づいてくる。  五分後に消防車と救急車と警察が来た。  即、消火活動が始まる。ニトログリセリンの爆発がここまで残酷なものとは知らなかった。科学室じゃなければ、引火することもなかったのに。  元科学室の辺りをうろうろしていると、即、止められた。消防隊員に。俺は、それどころじゃない。 「まだ残ってた生徒が、ここにいるはずだ!」  思わず大声になっていた。  科学室前で隊員と大喧嘩。他の人になんといわれようと、もう構わなくなってきた。 「人が残っていなかった様子です。君も、危ないから、ここへは近づかないで」  もしも優気子が死んでたら、どうしてくれるんだ!  食って懸かる。 「でも、本当に人が!」 「他を当たってください」  冷たく突っぱねられたので、俺はもっと先を行った。祈っていた。  優気子は爆発した場所から五十メートル離れた場所に倒れていた。具体的に言うと学校の裏門だ。どうやら、教室棟と正反対に逃げたようだ。  ダイヤモンドを見つけたようだった。
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