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「みんな、おはよう!」
愛内優気子は、いつものように勢い良く手を挙げ、元気よく挨拶をすると、科学室に入ってきた。
科学室にいた科学部員は、その瞬間、びくっと固まる。
科学室は教室棟の隣、別棟の端にある。
優気子は、俺と同じ高校二年生である。家がお隣の腐れ縁でもある。ちなみに、今は二学期の九月。
「優気子、お前、今頃、登校してきたのか?」俺は呆れて苦笑した。だから、こいつを放っておけない。
教室の時計は、四時を指している。
「そう! さすが巧、わかってるわね!」クイズに正解したような、生き生きとした表情を浮かべた。
「元気よく言うことじゃないだろ」
「だって、授業、つまんないんだもん」
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