第1話

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「みんな、おはよう!」  愛内優気子は、いつものように勢い良く手を挙げ、元気よく挨拶をすると、科学室に入ってきた。  科学室にいた科学部員は、その瞬間、びくっと固まる。  科学室は教室棟の隣、別棟の端にある。  優気子は、俺と同じ高校二年生である。家がお隣の腐れ縁でもある。ちなみに、今は二学期の九月。 「優気子、お前、今頃、登校してきたのか?」俺は呆れて苦笑した。だから、こいつを放っておけない。  教室の時計は、四時を指している。 「そう! さすが巧、わかってるわね!」クイズに正解したような、生き生きとした表情を浮かべた。 「元気よく言うことじゃないだろ」 「だって、授業、つまんないんだもん」
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